ニューヨーク国連広場の壁に、聖書の『イザヤ書』の言葉が刻まれています。
そのため、この壁は「イザヤ・ウォール」(Isaiah Wall)と呼ばれています。
これらの言葉に「非戦・平和」の想いが込められていると言われています。

Credit: Picuture from Wikimedia Commons.
実際刻まれている英文
THEY SHALL BEAT THEIR SWORDS INTO
PLOWSHARES. AND THEIR SPEARS INTO
PRUNING HOOKS; NATION SHALL NOT
LIFT UP SWORD AGAINST NATION. NEITHER
SHALL THEY LEARN WAR ANY MORE

ISAIH

日本語はこれです。
イザヤ書 2章4節
"主は国々の間をさばき、多くの民族に判決を下す。
彼らはその剣を鋤に、その槍を鎌に打ち直す。
国は国に向かって剣を上げず、もう戦うことを学ばない。"
イザヤ書 2章4節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
陰謀論を説く者たちは、その真の意図は「パクス・ユダエウス(Pax Judaeus)」(ユダヤによる世界の平和)だと主張します。これは「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」をもじった言葉です。ローマが地中海一帯を全部征服し、そこに長らくもたらした平和のことを、「パクス・ロマーナ」と呼んでいます。平和と言っても戦争と支配を前提としているものなので、皮肉なものです。つまり、ユダヤ人が世界を統治しようとしていることを暗示していると主張しているのです。
聖書部は陰謀論に興味はないし、その真偽を検証するつもりもありません。その意図はあるにせよ、ないにせよ、実現することではないことだけ、保証します。なぜなら、聖書ではそういう結末を書いてないからです。聖書が示しているのは、
最終的に、地を支配するのはキリストであり、ユダヤ人ではありません。
それは『ダニエル書』に書いてある通りです:
"王よ。あなたが見ておられると、なんと、一つの巨大な像が現れました。この像は巨大で、異常な輝きを放って、あなたの前に立っていました。その姿は恐ろしいものでした。
その像は、頭は純金、胸と両腕は銀、腹とももは青銅、
すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。
あなたが見ておられると、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを粉々に砕きました。
そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金も、みなともに砕け、夏の脱穀場の籾殻のようになり、風がそれを運んで跡形もなくなりました。そして、その像を打った石は大きな山となって全土をおおいました。"
ダニエル書 2章31~35節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
史上最強の帝国、バビロンのネブガデネザル王が見て忘れてしまった夢を、ダニエルが解説しているところの記載です。王が大きな人の像を見たのです。
純金の頭、銀の胸と両腕、青銅の腹ともも、鉄のすね、鉄と粘土の足、これらはバビロンに始まり、キリストの再来までの人類政権の予言です。現在は鉄と粘土の足に来ています(陰謀論でも都市伝説でもなく、聖書学者にとっても常識、まっとうな聖書予言の話です)。この予言の詳細の解説はまた、別の記事にいたします。
ともかく、ここで重要なのは、この像の結末です:
一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを粉々に砕きました。
石はキリストと教会を象徴しています。
聖書の最後の書簡、『黙示録』の11章は、『ダニエル書』2章に呼応するように、さらにはっきりと書いています。
"第七の御使いがラッパを吹いた。すると大きな声が天に起こって、こう言った。「この世の王国は、私たちの主と、そのキリストのものとなった。主は世々限りなく支配される。」"
ヨハネの黙示録 11章15節
聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会
いかがでしたか?聖書は66巻ありますが、書いていることは一貫しています。人類の歴史に関する予言は特にそうです。
以上です。
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