(4)「死なねばならないなら、死にます」王妃が王に無断謁見、どうなる?!(エステル記4章の要約と質疑応答)

通読日:2020年11月12日(木)

LINEオープンチャット「聖書部」の投稿からのまとめです。

エステル4章のあらすじ

モルデカイは事態を知ると、衣服を裂いて荒布をまとって悲しみ、王の城門まで行きますが、荒布をまとって中に入ることはできませんでした。エステルは着物を送りますがモルデカイは拒絶します。

エステルとモルデカイは使者を通して会話します。モルデカイは事態を知らせてエステルから王にイスラエル民族のために嘆願するよう言います。エステルは、勝手に王の内庭には入ると死罪になること、もうひと月も内庭に入っていないことを告げます。モルデカイは厳しい言葉をエステルに返します。エステルは三日三晩エステルのために断食してほしいと告げ、死罪になっても王のところに行くと宣言します。

朗読と本文(口語訳)

いつもの優しい声の朗読です!

1モルデカイはすべてこのなされたことを知ったとき、その衣を裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、町の中へ行って大声をあげ、激しく叫んで、 2王の門の入口まで行った。荒布をまとっては王の門の内にはいることができないからである。 3すべて王の命令と詔をうけ取った各州ではユダヤ人のうちに大いなる悲しみがあり、断食、嘆き、叫びが起り、また荒布をまとい、灰の上に座する者が多かった。4エステルの侍女たちおよび侍従たちがきて、この事を告げたので、王妃は非常に悲しみ、モルデカイに着物を贈り、それを着せて、荒布を脱がせようとしたが受けなかった。 5そこでエステルは王の侍従のひとりで、王が自分にはべらせたハタクを召し、モルデカイのもとへ行って、それは何事であるか、何ゆえであるかを尋ねて来るようにと命じた。 6ハタクは出て、王の門の前にある町の広場にいるモルデカイのもとへ行くと、 7モルデカイは自分の身に起ったすべての事を彼に告げ、かつハマンがユダヤ人を滅ぼすことのために王の金庫に量り入れると約束した銀の正確な額を告げた。 8また彼らを滅ぼさせるために、スサで発布された詔書の写しを彼にわたし、それをエステルに見せ、かつ説きあかし、彼女が王のもとへ行ってその民のために王のあわれみを請い、王の前に願い求めるように彼女に言い伝えよと言った。 9ハタクが帰ってきてモルデカイの言葉をエステルに告げたので、 10エステルはハタクに命じ、モルデカイに言葉を伝えさせて言った、 11「王の侍臣および王の諸州の民は皆、男でも女でも、すべて召されないのに内庭にはいって王のもとへ行く者は、必ず殺されなければならないという一つの法律のあることを知っています。ただし王がその者に金の笏を伸べれば生きることができるのです。しかしわたしはこの三十日の間、王のもとへ行くべき召をこうむらないのです」。 12エステルの言葉をモルデカイに告げたので、 13モルデカイは命じてエステルに答えさせて言った、「あなたは王宮にいるゆえ、すべてのユダヤ人と異なり、難を免れるだろうと思ってはならない。 14あなたがもし、このような時に黙っているならば、ほかの所から、助けと救がユダヤ人のために起るでしょう。しかし、あなたとあなたの父の家とは滅びるでしょう。あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう」。 15そこでエステルは命じてモルデカイに答えさせた、 16「あなたは行ってスサにいるすべてのユダヤ人を集め、わたしのために断食してください。三日のあいだ夜も昼も食い飲みしてはなりません。わたしとわたしの侍女たちも同様に断食しましょう。そしてわたしは法律にそむくことですが王のもとへ行きます。わたしがもし死なねばならないのなら、死にます」。 17モルデカイは行って、エステルがすべて自分に命じたとおりに行った。

エステル記 4:1‭-‬17 口語訳

質疑応答

質問①モルデカイはどうして「荒布をまとい、灰をかぶる」のか?

エステル記4‐1 新改訳
モルデカイは、なされたすべてのことをし知った。すると、モルデカイは着物を引き裂き、荒布をまとい、灰をかぶり、大声でひどくわめき叫びながら町の真ん中に出て行き、

【質問】ともさん
荒布をまとい、灰をかぶる事に、特別な理由があるのでしょうか。

【回答】ゆうさん
「灰をかぶる」「塵の上に座る」という行為の目的は、自分の惨めさや弱さを神の前に示して、あるいは謙虚さ、従順さ、へりくだりの姿勢を示して、神の憐れみを求めるという儀式的な意味があるそうです。荒布をまとうことは自分を卑しめる行為のようです。

質問②断食にはどういう意味があるのか?

エステル記4:16(新改訳)
私のために断食をしてください。三日三晩、食べたり飲んだりしないように。

【質問】ゆうさん
他の箇所にも出てきますが、断食にはどういう意味があったのでしょうか?

【回答】アンテパスさん
徹底的な祈りです。普通は、断食して神に祈ったとか書くところですが、エステル記では「神」って言葉を使わずに表現してます。神は隠れておられるという意味を込めてるらしいです。

【回答への返信】ゆうさん
断食はしているのに祈らないかと思っていましたが、より強く祈っているのですね

【回答への返信の返信】アンテパスさん
はい。一見簡単に読めるようですが、これまでの伏線とかエステル記独特の書き方とかがあって、それがエステル記独特の深みになってますね。さて、第4章、面白くなってきました!

【回答への返信の返信の返信】ゆうさん
解説して頂いて少しずつわかってきました。有難うございます。

【傍聴者から一言】ともさん
ストーリーとして楽しく読んでいましたが、色々解説をして頂き、エステル記の深さが分かってきました。
これからの章も楽しみです😊

 

以上です。

編集者注:初めて読む方にとって読みやすいように、実際の質問者と回答者が複数いてもまとめたりしています。文面も適宜編集しています。ニックネームは変えています。