
通読日:2020年11月11日(水)
LINEオープンチャット「聖書部」の投稿からのまとめです。
エステル記第3章のあらすじ
アハシュエロス王は神の敵アガグ人であるハマンを重んじ、高い地位につかせます。
王はしもべたちに対し、ハマンにひざまずくよう命令しますが、モルデカイはそれに応じません。やがてそれがハマンの耳に入ります。
ハマンはモルデカイがユダヤ人であることを知り、王国全土のユダヤ人を滅ぼすことにします。
ハマンは王に、ユダヤ人は国法を守らず独自の法に従っているので対処すべきだと進言し、王はそれに同意してハマンに権限を与えます。
ハマンは王の名で布告を出し、国内のユダヤ人を皆殺しにして家財を奪うように命じます。
エステル記第3章の朗読と本文(口語訳)
いつもの優しい声の朗読です!
1これらの事の後、アハシュエロス王はアガグびとハンメダタの子ハマンを重んじ、これを昇進させて、自分と共にいるすべての大臣たちの上にその席を定めさせた。 2王の門の内にいる王の侍臣たちは皆ひざまずいてハマンに敬礼した。これは王が彼についてこうすることを命じたからである。しかしモルデカイはひざまずかず、また敬礼しなかった。 3そこで王の門にいる王の侍臣たちはモルデカイにむかって、「あなたはどうして王の命令にそむくのか」と言った。 4彼らは毎日モルデカイにこう言うけれども聞きいれなかったので、その事がゆるされるかどうかを見ようと、これをハマンに告げた。なぜならモルデカイはすでに自分のユダヤ人であることを彼らに語ったからである。 5ハマンはモルデカイのひざまずかず、また自分に敬礼しないのを見て怒りに満たされたが、 6ただモルデカイだけを殺すことを潔しとしなかった。彼らがモルデカイの属する民をハマンに知らせたので、ハマンはアハシュエロスの国のうちにいるすべてのユダヤ人、すなわちモルデカイの属する民をことごとく滅ぼそうと図った。7アハシュエロス王の第十二年の正月すなわちニサンの月に、ハマンの前で、十二月すなわちアダルの月まで、一日一日のため、一月一月のために、プルすなわちくじを投げさせた。 8そしてハマンはアハシュエロス王に言った、「お国の各州にいる諸民のうちに、散らされて、別れ別れになっている一つの民がいます。その法律は他のすべての民のものと異なり、また彼らは王の法律を守りません。それゆえ彼らを許しておくことは王のためになりません。 9もし王がよしとされるならば、彼らを滅ぼせと詔をお書きください。そうすればわたしは王の事をつかさどる者たちの手に銀一万タラントを量りわたして、王の金庫に入れさせましょう」。 10そこで王は手から指輪をはずし、アガグびとハンメダタの子で、ユダヤ人の敵であるハマンにわたした。 11そして王はハマンに言った、「その銀はあなたに与える。その民もまたあなたに与えるから、よいと思うようにしなさい」。12そこで正月の十三日に王の書記官が召し集められ、王の総督、各州の知事および諸民のつかさたちにハマンが命じたことをことごとく書きしるした。すなわち各州に送るものにはその文字を用い、諸民に送るものにはその言語を用い、おのおのアハシュエロス王の名をもってそれを書き、王の指輪をもってそれに印を押した。 13そして急使をもってその書を王の諸州に送り、十二月すなわちアダルの月の十三日に、一日のうちにすべてのユダヤ人を、若い者、老いた者、子供、女の別なく、ことごとく滅ぼし、殺し、絶やし、かつその貨財を奪い取れと命じた。 14この文書の写しを詔として各州に伝え、すべての民に公示して、その日のために備えさせようとした。 15急使は王の命令により急いで出ていった。この詔は首都スサで発布された。時に王とハマンは座して酒を飲んでいたが、スサの都はあわて惑った。
エステル記第3章の質疑応答
質問①モルデカイはなぜ王の命令に背いてハマンにひれ伏さなかったのか?
【質問さん】
王の命令でもあったので、どうして平伏さなかたのでしょうか?
「しかし、モルデカイはひざもかがめず、ひれ伏そうともしなかった」
エステル記3:2 新改訳
【回答さん】アンテパスさん
よくある誤解
まず、よくある誤解ですが、ユダヤ人であるモルデカイは、その信仰の故に(出エジプト記20章の十戒に基づく)、唯一の神、創造主なる真の神しか拝まないため、いくら地位が高い人であれ、人にひれ伏す事は神の律法に背くことになるため、拝まなかった、と思いがちですが、実は違います。
では、なぜ拝まなかったかというと…
アガク(アガグ)を聖書の語句検索ができるアプリで検索すると、サムエル記上15章がヒットします。
注解書をいくつかみてみましたが、アガクはアマレク人の王家の一族のようです。神はサムエル記上15章で全滅させるようにサウルに命じますが、サウルは全員を殺さず、アガクを生かしています。
あとでサムエルがアガクを殺しますが、そのあともアマレク人が出てきてますから、殺されなかった人たちがいたということです。そして、アガクの一族の王権も継承されてたということです。ハマンはその末裔です。
生き延びたとはいえ、一族を皆殺しの一歩手前まで追い詰めたわけで、ハマンはユダヤ人には恨みがあったのです。
モルデカイはハマンが何者か知っていたのではないでしょうか。復讐してくるに決まってる。そりゃひれ伏したりしませんよね。
アガクにひれ伏さなかったことで周りが反応していると言うことは、それまでは、例えば王に対してはひれ伏していたということです。
エステルは8章3節で王に対してひれ伏しています。
「エステルは再び王の前に奏し、その足もとにひれ伏して、アガグびとハマンの陰謀すなわち彼がユダヤ人に対して企てたその計画を除くことを涙ながらに請い求めた。」
エステル記 8:3 口語訳
質問②モルデカイ以外のユダヤ人もハマンにひれ伏さなかったのか?
【回答】ヒカルさん
それは書いてないのでわかりません。以下は私の考えです。創造主である神を信仰していても、十戒を守るかどうかは個人的な問題ですし、平民がハマンにひれ伏さなかったとしてもハマンは気にも留めなかったでしょう。しかし、彼と同じようにこの国で高い位についているユダヤ人のモルデカイは彼にとっては邪魔な存在、目の敵にしていたんでしょうね。しかし、ハマンはモルデカイだけに報復するだけでは収まらず、モルデカイと同じユダヤ人全員をなき者にしようとしたところに異常さを感じます。
質問②王はなぜハマンを重んじたのか?
この出来事の後、アハシュエロス王は、アガク人ハメダタの子ハマンを重んじ、彼を昇進させて、その席を、彼とともにいるすべての首長たちの上に置いた。エステル記3:1(新改訳)
王がハマンを重んじた特別な理由があるのでしょうか。
【回答者】アンテパスさん
これは、エステル記の裏のテーマと関係があります。エステル記は、神は隠れているようでもちゃんとおられ、神の民の環境を整え、また神の民を導いてくださっているということです。裏のテーマは、サタンも隠れているようでもちゃんと存在しており、神に敵対して策略をめぐらすというものです。これは創世記から黙示録まで、また私たちの生活においても言えることですが。要するに、ハマンが出世したのはサタンの後押しの結果です。(部員ぽんかんさん)
【質問者】
神があまり出て来ないと思いましたが、神はちゃんとおられ、神の民を導いて下さい っている。また、サタンも敵対し策略をめぐらしている。裏のテーマなんですね。有り難うございます😊
質問③新改訳では王の名前がクセルクセス王となってますが?
違いはどうなんでしょうか?!
【回答】
同一人物で、訳し方の違いです。Wikipediaにクセルクセスとアハシュエロスの名称について書いてありました💡日本語訳によってはギリシャ語発音にしていたり、ヘブライ語発音にしている…ということです。(複数回答者)
Wikipediaより
以上です。
※編集者注:初めて読む方にとって読みやすいように、実際の質問者と回答者が複数いてもまとめたりしています。文面も適宜編集しています。ニックネームは変えています。